「薬物による治療」「精神療法」「十分な休養」

うつ病の治療は「十分な休養」と「薬物による治療」が2つの大きな柱で進められます。そのほかに状況を見て「精神療法」が行われることもあります。

「薬物による治療」
うつ病の治療で一番中心となってくるのが、この薬物による治療です。抗うつ薬は抑うつ状態や気分の落ち込み、不安や緊張などのうつ病特有の症状を緩和するためのお薬です。抗うつ薬にはいくつかの種類があるので、医師に指示された処方通りに服用しましょう。抗うつ薬の服用期間は、個人差もありますが、通常、3~6ヵ月で、長期の治療が必要な場合は、1~2年服用する場合もあります。薬物による治療は大きな効果が期待できるので、自己判断で勝手に服用を中断したり、服用量を増やしたり減らしたりしないで、医師の指示通り服用することが大切です。うつ病は再燃、再発の頻度が高い病気なので、患者さんが症状がおさまり治ったと思っていても、再発防止のため一定期間は医師から服用を指示されます。再発防止のためには、必ず医師の指示には従うことが重要です。
抗うつ薬は効果が出るまで4~6週間かかります。服用始めは、だるさや吐き気などの副作用が強く出ることもあります。そういった副作用はしばらくすると比較的治まってきますが、あまりに症状がつらいようでしたら医師、または薬剤師に相談したほうがいいかもしれません。最近の抗うつ薬は開発が進んでいて、副作用が少ないよい薬が多くなっていると言われています。

「精神療法」
精神療法とは、専門の精神科医や臨床心理士などが、うつ病の患者さんの心に働きかけ心理面にアプローチして病気を改善していく方法です。薬物療法とは脳への働きかたが違い、患者さんの症状を診ながら、比較的うつの症状が軽度な場合や、ある程度症状が落ち着いた慢性期の患者さんに対して行われます。薬物療法と精神療法は患者さんの症状や状態にあわせて組み合わせて行うことで、治療効果が高まり、また再発の防止にもなると言われています。薬物療法よりも精神療法の方が高い効果をあげる場合もあります。
精神療法は支持的精神療法、認知療法、対人関係療法などがあります。

「十分な休養」
薬物による治療と並行して、大切なのが十分な休養をとることです。うつ病を克服して、再発を防ぐためには、精神的や身体的なストレス、不規則な生活、バランスの悪い食事、運動不足などを改善して、生活のリズムを整えることが必要です。「薬物による治療」や「精神療法」にだけ力を入れて、「十分な休養」を疎かにしてしまうと、抗うつ薬の効果で一時的によくなっても、またうつ病が再燃、再発してしまう可能性が高くなります。責任感が強い患者さんは、仕事や家事などが気になってなかなか休むということに抵抗を感じるかもしれませんが、医師がもし治療のため休みが必要と判断したら、ご家族にもサポートしてもらい、治療についての期間などをじっくり相談して休むことが大切です。
ご家族はうつ病について理解して患者さんの負担にならないよう、患者さんにとってよい環境作りを心がけるようにしましょう。周囲の人たちの病気への理解が、患者さんの心の負担を軽くしてくれます。